ネット小売業から見えるお客のココロ日記 -3ページ目

コミュニティとEC

昨日は3連休明けですがモチベーション高いです。
もう3日目くらいから仕事がしたくなりますね、
なんか。われながら大丈夫か…。

午後、ビジネス雑誌の副編集長お二人が来社。
うちの社長と会いたいということだったので、
セッティングをして、広報担当と社長を交え
顔合わせで色々話しをしました。

その副編集長といのが、以前から知り合いで、なかなか
独自の視点を持っていて面白い人なのですが、彼が
いま興味を持っているのが、ECのコミュニティ的な
サービス。

僕の会社にもお客さんどうしが商品を介してコミュニケーション
をとれるコミュニティ的なサービスがあり、なかなか
活発に更新がされているのでが、まだまだスタンド・アローン
で自社サイト内でやや閉じたコミュニテイになっている
せいか、まだそこ経由の売り上げというのは微々たるもの
なのです。

インターネットの価値の一つに、「自己増殖性」と「双方向性」
があるのは間違いないと思います。ブログも、コメントと
トラックバック、そして更新のカンタンさが、この二つの価値
を生み出しているから凄い勢いで広がりつつあるのではない
でしょうか。

ブログで商品を紹介して対価を得るアフィリエイターも増え
つつありますが、どうもこれが本命ではないような気がする。

「双方向性」というよりは、ブロガーが販売代理店、そこから
買う人がブロガーのセンスに共感して買っている消費者、
という印象なんです。そう置き換えると、既存の図式とあまり
変わらない。

もっと商品が主役として、商品を介したコミュニケーション
が成り立つ気がします。商品=モノは情報の固まりといって
いいですから。

たとえば、以前僕は初対面の人間と、『青が散る』という本
を通じてその感想を言い合って異常に盛り上がったことがあ
りましたし、「冷えロン(ホカロンの冷たいバージョン)が
いかに夏にありがたいか」というハナシのおかげで某最大手
ポータルサイトの人と仲良くなれて仕事がうまくいった経験
があります(どんなハナシや…)

自分の気に入った商品を、相手も気に入っていると知ると、
ぐっと相手に対して深いところで親しみを感じる、という
ことがあると思います。

そうした商品を介して人と人とをつなぐ場を提供する、
という価値もECにはあると思います。

売り手⇒買い手という一方的な提案ではなく、買い手⇔買い手
という、場をいかにつくるか。

これも、これからのECの課題だと思います。

既得権VS新興勢力

昨日朝、「サンデープロジェクト」にライブドアの堀江社長
が出演していました。例のニッポン放送株買収の問題です。

この件についてはsudaさんのブログに激しく同意。

昔から思っていたのですが、メディアは、他業種の暗部についての
糾弾は厳しいくせに、自分たちの都合の悪いことは全く言及しない。

だから、今回メディア関係者が、堀江さんに賛同しないのは当たり
前ですが、一般人からは、痛快に感じられます。

そうした視聴者(=顧客)の感覚を真正面から捉えず、姑息な手段
をとるのは、視聴者あってのTV局にとって致命的であるといえるの
ではないでしょうか。

テレビは、郵政省に割り当てられた電波を使って商売をしている、
規制産業です。新規参入の道が地上波についてはほとんど
閉ざされているという点では、プロ野球と全く同じ構造です。

戦後の体制がそのまま来てしまったため、いま世の中にひずみが
生じている分野は数多くあります。そのひずみが、色々な業界で
お客さんに不利益や不便の源になっている。
そんな既得権をぶちこわす試みに拍手、です。

僕もいちネット小売業者として、自らの業界にまだまだあるひずみ
と戦っていきたいと思いました。

銀ブラ

3連休の二日目。

銀座を妻とひたすらぶらぶらしました。
appleストアが大盛況で思わず立ち寄る。
人ごみをかきわけながら話題のiPodShuffleを視聴。
僕も妻も実は音楽はほとんど聴かないので、今まで
全く触ったこともなければ、どんなモノなのかも
知らなかったのです…。

で、聴いてみた感想は…

音質がいい。なにより、小さい。軽い。
これで1万円は安い。

別にappleのまわしものではないですが…。
感動。ただ、音楽はネット上でダウンロードする
のではなく、手持ちのCDから移すのが主流とのこと。

しかし、iPodの登場によって、これまでのCDウォークマン
とか、存在価値が限りなくなくなってしまったのでは…。
恐ろしい。

次回、家計で浮いたお金があったら買おう、ということ
に決定。

さらにぶらぶらしていると、Henry Cottonsの路面店
を発見。しかもバーゲン中。ここは百貨店の中でよく見かける
ブランドで、セーターやジャケットなどなかなか渋くていい
感じなのだが、なにしろ高い。

のぞいてみると、ほぼ全品3,4割OFF。

「いいのあったら買えば?」
という妻のアドバイスあるも、サイズあわず撃沈。

さらに歩くと、こんなところにバーニーズニューヨークが。
銀座にできていたのですね。ということで店内を散策。
いろいろ物色したのですが…

肉付きの少なからずいい僕に入るような服はありません
でした…(涙)

しかし、店内を見まわすとオシャレさんが多いですね、さすがに。
なんかえり立て率が異常に高いです。

結局ここも買わずに、夕食の時間なので銀座を離れる。
銀座は歩いているだけで結構新しいものが出来ていて面白い。

夜は赤坂で中華。会社で加入している健康保険組合
契約のお店で、会員価格だと、ヒジョーに安いのです。

バイキングで1.5時間以内で食べ放題。妻と黙々と平らげて
いって、結局18品も食べて、紹興酒も一本空けてしまい
ました…。

これで二人で5千円。や・安すぎる…。

なんだかんだで、またお金を使わない休日なのでした…。

ケータイで買うということ

木曜日は、マーケティング業者が来社し、色々ネット上の
プロモーションの提案を受けました。

なかでも、ケータイ上で、某サイトのトップページでの
紹介の提案があり、なかなか面白そうなので次回
具体的な提案をもらうことに。

いま、ネット上のプロモーションでは、overtureやgoogle
などのリスティングがどんどん成長しているが、
携帯ではそうではないらしい。

なぜかというと、携帯では、ネットの最大の武器で
ある検索がしにくい。文字を打つのに時間がかかり
ますから。

なので、PCよりもアフィリエイトやカテゴリ広告が
主流だそうです。

わが社もケータイからの購入は全キャリア対応しています
が、まだまだどんな商品が売れているのか、という
動向は把握していません。

ケータイで買うのと、PCで買うのとでは、当然買い手の
心理も変わり、感じる価値も変わってきそうで、このへん
は非常に興味のあるところ。

いまの売り上げは小さいとはいえ、これから伸びるのは間違い
ないので、研究していかなきゃ、です。

アフィリエイトに集中

水・木と提携している某ASP(アフィリエイト・サービス・
プロバイダー)の商談会に参加。

プロバイダ系の大手H社、K社、N社に立て続けに商談。
それぞれ、自社のプロバイダ契約者の最初の入り口
となるポータルサイトを運営しており、そこで
ショッピングサイトを展開しています。

そこにわが社も出店して、アフィリエイト形式で売り上げの
数%をバックするという交渉をしました。

いくつか話しがまとまって、ひと安心。

それにしても、最近とんと話をきかない、プロバイダ系サイト
のショッピングモールが、過渡期にあるのがわかって面白い。

共通しているのが、バックが電器や電話の大手企業だけに、
ブランド力が高く、そのため比較的年齢が高い顧客を
抱えていること。その顧客を対象とした、品揃えを絞った
ショッピングモールおよびセレクトショップを構築
していようとしているようです。

これから、ますます中高年齢層がネットの世界に入って
いくのは間違いない
ので、彼らの昔からの信用は、
意外と武器になるかもしれないです。

特に、ネット=わけのわからないもの、あやしいもの
という観念は中高年にはまだまだ根強いですし、この先
そう簡単になくなるとも思えませんから

小売業の生命線とは(後編)

さて、ネットにおいて、攻めの発注をするにはどうしたら
よいか。

リアルでは天気、地域のイベント情報、などを先行情報として
つかむことが、仮説の精度を上げるうえで重要でした。

ネットでもこれは同じです。

ただ、需要を予測する先行情報に、天気の他、検索ログや、
メディアが重要になってくる。

天気でいうと、嵐や大雨の日は売り上げが伸びる

検索ログをみれば、世の中のリアルタイムの需要がみえてくる。
そして、検索ログに少なからず影響をおよぼしているのが、
テレビ、新聞、ネットのニュースなどのメディアです。

このへんのお話は、以前書かせていただき
ましたが、日々こうした先行情報をもとに、仮説をたて、発注を
していくことが重要なわけです。

メディアで、一番インパクトがあるのが、ヤフーのニュース。
トップページに表示されるニュースが、特に重要です。

ここに出た商品は、まずなんらかの動きがあると思っていい。

以前『電車男』が最も売れた日も、ここにニュースが出た日でした。

こうした仮説発注がもっときめ細かくできれば、ECの世界
ダントツ勝利ができる、と思っていますが、
なかなか苦戦はしています。






小売業の生命線とは(前編)

昨晩、「ガイアの夜明け」でセブンイレブン特集をやっていました。

中でも凄いなと思ったのは、気温の微妙な変化を発注に生か
していること。あるOFC(店舗指導員)は、明日の天気が12℃と、
冬にしてはやや暖かい日になることを把握すると、すぐ
冷やし中華の発注を店舗に勧めます。

絶対的な温度としては、決して夏日ではないのですが、寒い日
が続いた後だと、わずかな温度変化の差でも、お店での
お客さんの心理に影響を与えるのです。

ある渋谷区の店舗で、通常は3つしか売れない冷やし中華を、
10発注し、ボリューム展開したところ、仮説通り完売しました。

またセブンイレブンでは、地元のアルバイトさんが主体で、周辺
地域の運動会や、スポーツ大会、模試、建設工事etcの情報を
積極的に調べ、店舗スタッフで共有するそうです。

たとえば運動会が明日あることがわかれば、小学校ならば、人数を
調べ、ペットボトルの量を通常より10倍多く発注する。

このように気温や地域のイベントといった先行情報をもとに仮説を
たて、攻めの発注をすることが、ここまでセブンを押し上げた要因の
一つになっているのです。

なぜここまで、発注にこだわるかというと、発注は文字通り
小売業の生命線
だからなのです。

通常の会社は、ついつい過去の延長線上で、発注をしてしまう。
「先週1週間でこのくらい売れたから、来週このくらい在庫持って
おけば切れないな…」という、いかに切らさないかという発想
になります。なぜなら、そのほうが、ラクだからです。

とはいえ、攻めの発注はリスクが大きいと感じてしまうのも事実。
だから、天気や地域の運動会の情報といった先行情報を徹底的
に収集して、仮説の精度を高めるのでしょう。

それは舞台をネットに移しても同じことです。ただ、物理的に
面積が限られているコンビニと違って、ネットの扱うアイテム数
は問屋の倉庫も含めれば膨大になります。

アイテム一つ一つを仮説をたて、きめ細かく発注をしていくのは、
なかなか難しいので、ついつい過去の実績を頼りに発注ということ
になってしまいがちです。

ただ、ここが踏ん張りどころ。

いかに仮説をたて、攻めの発注をするか。
えらそうなことをいいつつ、…これは僕の会社でもまだまだ
できていません。

では実際にネットではどんな発注をすべきか。

…長くなりすぎたので、また次回に。








鈴木敏文氏と柳井正氏の共通点

昨晩はバイブルとしている本を引っ張りだして読み返して
いました。

下記の本は、「これをネットに当てはめると…」という風
にいつも参考にしています。

鈴木敏文氏も、柳井正氏も、たまたまお会いする機会が
あったのですが、「とことん原理原則を貫く」という点
と、「そのためには一切の妥協を許さない」オーラを
発している点が、よく似ているように感じました。
(周囲がピリツとするような厳しい雰囲気も、ですが…。
本当に緊張しました)


両氏の主張は、とにかく、シンプル。難しいコトバ
は一切使っていない。また、言うことがブれない。先日30年ほど
前の鈴木敏文氏のセブン創業当時のインタビューを読んだ
のですが、言っていることが今とほとんど同じなのです。

その「変わらなさ」に感動しました。

外部環境、お客さんのココロは日々、刻々と移り変わりますが、
商売の原理原則は変わらない。

僕もテクニックに逃げることなく両氏を見習って自分の頭でとことん
考えて仕事をしていきたいと思います。


タイトル: 商売の原点
タイトル: 商売の創造
タイトル: 鈴木敏文の「統計心理学」
タイトル: 一勝九敗

ネットに求める価値とは?

ヨーカ堂会長の鈴木氏は言っています。

同じおでんでも、お店の業態によって求める価値が違う。
コンビニであれば、お客さんが一つ一つ好きな具を選べる形式
が好まれるが、スーパーではいくつかをパックにして、まとめて
置いておくほうが、売れるのです。

このへんがお客さんの心理の複雑なところであり、面白い
ところだと思います。

では、ネットではどんなおでんの売り方をしたらいいか。

それは、木の箱につめて「○○地方特産のおでんを、丹精こめて
手でこねてつくりました…」というように、希少性と、物語性
を伝えて
売るのがたとえば一つの方法ではないかと思います。

今日、うちのベストセラーランキングに上がっていたのは、
フィギア付きの限定版コミック。通常版のコミックであれば
500円程度で買えるのに、フィギアをつけた高価格の商品が
飛ぶように売れていく
のです。

たぶん、こうした限定、特典つき商品は、リアルな書店より、ネット
のほうが売れるでしょう。

このへんから、ネットECにお客さんが潜在的に求める価値、
というものが見えてくるような気がします。

人生最長のレジ待ち体験

2/5は昼に浜松町で某アパレル会社主催のラルフローレン
の特別販売会に妻と行きました。

なかなか掘り出し物が多くいくつか商品を買うことにした
のですが、問題はお会計。

なんと…レジの最後尾が行っても行っても見つからない…。

売り場は3Fなのに、列の最後尾は5Fまでずらりとのびていた
のです。結局、待つこと1時間半。なんとか商品を買うこと
ができました。

それにしても、アパレルだけに、小売業が本職ではないとは
いえ、お客を待たせることに、なんと鈍感なことか。

レジは6コあって、もちろんフル稼働しているのですが、
レジにたどりついてみると、人は1レジ3,4人いるにも
関わらず、処理スピードが遅い。にもかわらず売り場にも
スタッフは余っている

彼らの対策は、「ただいまレジが大変混雑していますので、
お買い物はごゆっくりお楽しみください」という少々的外れなアナウンスのみ。

この場合
①レジの時間あたりの処理スピードを上げるため、簡易包装
をする。または簡易包装用のレジをつくり希望者はそちらに流す

なにより
②レジは後で打てばいいのだから、まず電卓ででも精算して
お客さんを流す
。人は売り場にいっぱい手持ち無沙汰でいる
わけですから

などなど対策はその場で打てたはずです。

なにせレジの待ち時間1.5時間というのは、異常事態です。
僕が以前小売の店頭にいたときは、②の対応はよくして
いましたし。


また、並んでいるとき、他のお客さんを観察していたら、面白い
ことを発見しました。みな、長時間並んでいる間に正気にもどって
きて、いくつかの商品を買うのをやめて、列のわきに置いてもどす
という現象が多々見られたこと。 列のわきにはみんなが戻した服の
山が
…。

これって大きな機会ロスですよね。 ショッピング、特にバーゲン
のときなどは勢いで買うところも少なからずあるので、冷静に
させちゃうと機会ロスにつながるようです。

まあ、彼らは小売が本職じゃないですから、完全に売り手の意識
のまま「レジは6台しかないから、しょうがない」というふうに
言い訳をしてそれで済ませていたのだと思います。

「お客さんの合理は売り手の非合理」

というコトバがありますが、人間誰しもラクしたいもの。
本当にお客さんの満足を追求しようとしたら、痛みを伴っても、
自分をまず変革しなきゃいけない。

僕もサービスの担い手として、お客さんの立場にたった仕事は、
常に心がけたいなあ、と思った出来事でした。