小売業の生命線とは(前編) | ネット小売業から見えるお客のココロ日記

小売業の生命線とは(前編)

昨晩、「ガイアの夜明け」でセブンイレブン特集をやっていました。

中でも凄いなと思ったのは、気温の微妙な変化を発注に生か
していること。あるOFC(店舗指導員)は、明日の天気が12℃と、
冬にしてはやや暖かい日になることを把握すると、すぐ
冷やし中華の発注を店舗に勧めます。

絶対的な温度としては、決して夏日ではないのですが、寒い日
が続いた後だと、わずかな温度変化の差でも、お店での
お客さんの心理に影響を与えるのです。

ある渋谷区の店舗で、通常は3つしか売れない冷やし中華を、
10発注し、ボリューム展開したところ、仮説通り完売しました。

またセブンイレブンでは、地元のアルバイトさんが主体で、周辺
地域の運動会や、スポーツ大会、模試、建設工事etcの情報を
積極的に調べ、店舗スタッフで共有するそうです。

たとえば運動会が明日あることがわかれば、小学校ならば、人数を
調べ、ペットボトルの量を通常より10倍多く発注する。

このように気温や地域のイベントといった先行情報をもとに仮説を
たて、攻めの発注をすることが、ここまでセブンを押し上げた要因の
一つになっているのです。

なぜここまで、発注にこだわるかというと、発注は文字通り
小売業の生命線
だからなのです。

通常の会社は、ついつい過去の延長線上で、発注をしてしまう。
「先週1週間でこのくらい売れたから、来週このくらい在庫持って
おけば切れないな…」という、いかに切らさないかという発想
になります。なぜなら、そのほうが、ラクだからです。

とはいえ、攻めの発注はリスクが大きいと感じてしまうのも事実。
だから、天気や地域の運動会の情報といった先行情報を徹底的
に収集して、仮説の精度を高めるのでしょう。

それは舞台をネットに移しても同じことです。ただ、物理的に
面積が限られているコンビニと違って、ネットの扱うアイテム数
は問屋の倉庫も含めれば膨大になります。

アイテム一つ一つを仮説をたて、きめ細かく発注をしていくのは、
なかなか難しいので、ついつい過去の実績を頼りに発注ということ
になってしまいがちです。

ただ、ここが踏ん張りどころ。

いかに仮説をたて、攻めの発注をするか。
えらそうなことをいいつつ、…これは僕の会社でもまだまだ
できていません。

では実際にネットではどんな発注をすべきか。

…長くなりすぎたので、また次回に。