単品管理 | ネット小売業から見えるお客のココロ日記

単品管理

いつも久しぶりに更新します…と宣言しながらできていません。。。
開き直って(何事もなかったように)仕事の話をします。


さて、ブログを更新しない間に色々と動きがあり、商品部に異動に
なりました。以前ぼくはMD(マーチャンダイザー)をしており、
ここ1年くらい異動でプロモーション業務をしていました。

元の古巣に戻って今度は経験した二つの仕事を統合して、
仕入れ→販売というスムーズな流れを実現するのがミッションです。

いま、キーワードとしているのが「単品管理」です。


英語で直英訳(?)すると「ユニット・コントロール」ですが、
セブン-イレブンを発祥とする単品管理は、かなり違う概念なので
別に「Tanpin Kanri」という英語があり、ぼくの言っているのは
こちらのほうです。

そう、「単品管理」はトヨタの「カンバン方式」と並ぶ、海外で認め
られている日本発のビジネス手法なのです。

…言ってしまいました。が、確かにそれほどの威力を持っている
といっていいと思います。これをネットで実践できているところは、
実は、(多分)ありません。「単品管理」の本家本元、「セブン
イレブン」の流れをくむEC企業、セブンドリームでさえ、です。


ぼくは、それを実践できれば必ずECで日本一になれると信じて

います。それほど、威力がある手法ですし、リアル小売業でさえ

まだこの手法の凄さをわかっている会社は余りいないのです。


小売業の仕事は「品揃えをお客さんのニーズに近づける」ことだと

いえるでしょう。そして、そのお客さんは必死になって「単品」を吟味

しているのです。ぼくらが思う想像以上に、です。だから単品から全

てを発想する単品管理は必然なのです。


「単品管理」はこれ、という風に一言でいうのは難しいので、たとえば

実例をあげましょう。

CDで、「ウクレレフォース」という商品があります。これは文字通りウク
レレによる「ダースベーダーのテーマ」などのSWテーマが収録されて

いる商品で「悪の権化」を思わせる重厚な音楽がウクレレの手にかかる

と脱力せざるを得ないコミカルな印象を与えるのが面白い。


商品情報をGETしたとき、これは売れると思いました。
まず今年、「エピソード3」が大ヒットとなり、SW関連の露出はどこを見

ても大盛り上がり。昔からのSWファンに加え、新たにSWを知った若い

世代も加わってSWファンベースは確実に広がりました。またなにより

その層を狙って発売されたサントラ、トイ、ファンブックなど洪水のように出た

商品と比べ、切り口が明確に差別化されています。ここ数年続いている

脱力系・癒し系商品を求める機運(リラックマ、雑誌天然生活のヒット)も

あって時代にもあっています。さらに昨今のウクレレブームもあります。

さらに、客層的にも根強いSWファンと、新SWファンの客層に
うちの客層がぴったり合っています。これをSW特集のイチオシにして、ター

ゲットメールを送り、リスティング広告でも「スターウォーズ」関連ワードの

検索結果のイチオシにして販売すれば売れるはず、という仮説をたてて、

仕入れを行い、拡販を行いました。


そうしたところどうなったか


…見事、売れました。普段の売れ筋であるJポップをぶっちぎって、

数百枚売れました。


まあこれはできすぎの事例ですし、決して「深い仮説」とはいえません。

単品管理とは、死に筋を排除し、このように単品単品で仮説を立て、

売れるものを意思をもって売上げをつくっていくサイクルのことになり

ます。


…ああうまく説明できませんね。まずは、この本を読んでみてください、

ぜひ。しばらく、単品管理関連の話題続くかもしれません。


岩本 浩治
商売で大事なことは全部セブン-イレブンで学んだ―単品管理